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・・・原始文化の土器について語るとき冷静である著述家も、今日と明日の文化について語るときは主観的な時代的な亢奮を示している例もあるし、ある場合には、著作者自身には知られているだけの客観的知識を、そのあるがままの現実で示されていない場合もある。文化・・・
宮本百合子
「世代の価値」
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・・・わが国でそういう原始芸術に当たるものは、縄文土器やその時代の土偶などであって、そこには原始芸術としての不思議な力強さ、巧妙さ、熟練などが認められ、怪奇ではあっても決して稚拙ではない。それは非常に永い期間に成熟して来た一つの様式を示しているの・・・
和辻哲郎
「人物埴輪の眼」