成年期に発症する進行性の神経変性疾患。非遺伝性の脊髄小脳変性症の中で最も頻度が高い。ふるえや筋肉のこわばり、動きづらさなどのパーキンソン症状を主体とするMSA-Pと、起立・歩行時のふらつきなどの小脳性運動失調を主体とするMSA-Cに分類される。指定難病の一つ。MSA(multiple system atrophy)。
[補説]かつては、小脳性運動失調を主な
症状とするものを
オリーブ橋小脳萎縮症、
パーキンソン病に似た
症状を呈するものを
線条体黒質変性症、立ちくらみ・
失神・尿失禁などの
自律神経症状を主な
症状とするものを
シャイ・ドレーガー症候群として
区別していたが、これらの病気は、
進行すると
症状が重複してくることや、
神経細胞に
共通の
病変がみられることから、多系統萎縮症と
総称されるようになった。