・・・には、七つの恐しき罪に人間を誘う力あり、一に驕慢、二に憤怒、三に嫉妬、四に貪望、五に色欲、六に餮饕、七に懈怠、一つとして堕獄の悪趣たらざるものなし。されば DS が大慈大悲の泉源たるとうらうえにて、「じゃぼ」は一切諸悪の根本なれば、いやしく・・・ 芥川竜之介 「るしへる」
・・・文芸家の実行力の薄弱、社会的善の奉仕の懈怠等は皆ここから生じるのだ。この利己と利他、厳粛主義と情緒主義との調和の問題も倫理学上の根本問題である。 つぎに人格主義か、幸福主義かの問題が横たわる。 物象的価値の感情と自我価値感情とは対立・・・ 倉田百三 「学生と教養」
・・・可能性があるとき、それを実質のある現実のものとする努力を怠れば、それはもう私たち各自が、自分を責めなければならない懈怠と云われるべきなのである。〔一九四六年一月〕 宮本百合子 「みのりを豊かに」
出典:青空文庫