・・・世界ファシズムと戦争挑発に対する抵抗を組織することが、世界人民の歴史の課題であり、世界文学につながる日本の文学の新しい世紀の精神であることが実感されて来て、そのための実践も着手されていたのである。 したがって、出版恐慌を理由として、これ・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・なぜなら、昨年の春の終りから夏にかけて、日本の内部で第三次大戦への戦争挑発は、実にはげしく行われた。あのころ、また戦争がはじまるんでしょうか、と顔つきをかえ低めた声でその恐怖を示した日本の婦人は決して一人二人ではなかった。手おくれにならない・・・ 宮本百合子 「今年のことば」
・・・それが常識として通る限り、ますます根気づよく、正直に戦争の絶滅は要求され、戦争挑発はしりぞけられなければならない。 手記の集められたこの一巻を読むとき、わたしたちは、手記そのものから、現代の人類的な課題をじかによみとることは出来にくいか・・・ 宮本百合子 「『この果てに君ある如く』の選後に」
・・・戦争挑発と日本の軍国主義の再燃にたいして青年と婦人とは胸にいっぱいの抗議をいだいている。ラジオはその時の政府によって官僚統制され、また天降りの独裁放送を行うことを思えば、政府の放送事業法案に対する反対はきわめて強い現実的な根拠をもっている。・・・ 宮本百合子 「今日の日本の文化問題」
・・・たる計画的な犯罪の挑発、捏造事件で人民の民主化を抑圧するために活躍している。 世界の民主主義者、良心ある人々が、国際ファシズムの一つの動きとして、MRAを批判していることは全く正しい。もし真実の道徳再建であるならば、今日世界の到るところ・・・ 宮本百合子 「再武装するのはなにか」
・・・が、そこに一つも平和への誠意がないことを批判されつつ特に九州や東北の農村でひろくよまれているし、ソ同盟からの復員者たちは、船から上陸する前に、まず、次の戦争への挑発にあっている。人民生活の収奪のひどさに苦しむ一般の感情に乗じて、きょうの日本・・・ 宮本百合子 「作家は戦争挑発とたたかう」
・・・ ところが一九四七年の春以来日本民主化の第三の段階に入ってから、とくに、一九四八年に入ってから、猛烈な戦争挑発と並行して、日本の内外で民主的という表現が、そろりそろりとさかだちした意味で使用されはじめた。この新方法は、これまでの日本のむ・・・ 宮本百合子 「三年たった今日」
・・・自分の紙面に挑発や真実でない記事、事実をはっきりつきつめないで平気で社会に向ってものをいうような人々の一定の政治的傾向からの発言などがのることを、恥しいこととして感じる感覚を失わせられている。新聞週間がはじまったときの街頭録音で、発言した人・・・ 宮本百合子 「ジャーナリズムの航路」
・・・現に新聞は共産党への弾圧を挑発するためマ元帥暗殺計画を企てた新井輝成という男の記事を発表している。 当時の中央委員たちによって、スパイとして調べられていた小畑達夫が特異体質のため突然死去したことは、警視庁に全く好都合のデマゴギーの種とな・・・ 宮本百合子 「信義について」
・・・地方にも都会にも様々の形で各機構に入りこんでいる右翼くずれ、特高の変形は、人民の統一行動を攪乱するのが唯一の任務であるから、一見勇敢な闘士めいて、どういう挑発をしないものでもない。もし人民が、現在日本政府は武力をもっていないという公の建前を・・・ 宮本百合子 「人民戦線への一歩」
出典:青空文庫