・・・日蓮はここにおいて決するところあり、自ら進んで、積極的に十一通の檄文を書いて、幕府の要路及び代表的宗教家に送って、正々堂々と、公庁が対決的討論をなさんことを申しいどんだ。 これは憂国の至情黙視しておられなかったのであるが、また彼の性格の・・・ 倉田百三 「学生と先哲」
・・・不幸なロシアの労働者の解放のために、作家としてゴーリキイは黙っていられずこの年の春一つの檄文をかきました。ロシアの政府は其をとがめて、田舎の一つの町に室内監禁しました。その時書かれたのが「どん底」です。そして、世界じゅうがこの戯曲によって、・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイについて」
・・・一九〇一年の四月に、ゴーリキイは労働者のために檄文を書いた廉で罪に問われ、起訴された。この時ゴーリキイはニジェゴロドスカヤ県のアルザマスという町へやられ、室内監禁にあった。「小市民」「どん底」の二つの戯曲がこの一種の流刑生活の間に書かれ・・・ 宮本百合子 「逝けるマクシム・ゴーリキイ」
出典:青空文庫