-
・・・ ジイドは前年夏ゴーリキイの病篤しと知って、モスクへ飛行し、そこに約二三ヵ月止り、かえって旅行記を書いた。本質に於ては飽くまで旧い箇人主義から脱していないジイドが、「新しい社会の集団人の代表者、具現者」としての部署におかれている人物の価・・・
宮本百合子
「今日の文学の展望」
-
・・・ アンドレ・ジイドは一九三六年六月、彼より一つ年上の輝しい僚友マクシム・ゴーリキイの病篤しという報に驚いて、飛行機でU・R・S・Sへ赴いた。ジイドが到着した翌日ゴーリキイの生涯は終った。ジイドは、赤い広場で行われたゴーリキイの感動的・・・
宮本百合子
「ジイドとそのソヴェト旅行記」