股立(ももだち)
の例文・使い方・用例・文例(2)
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・・・ 火事の最中、雑所先生、袴の股立を、高く取ったは効々しいが、羽織も着ず……布子の片袖引断れたなりで、足袋跣足で、据眼の面藍のごとく、火と烟の走る大道を、蹌踉と歩行いていた。 屋根から屋根へ、――樹の梢から、二階三階が黒烟りに漾う上へ・・・
泉鏡花
「朱日記」
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・・・ 玄関に平伏した田崎は、父の車が砂利を轢って表門を出るや否や、小倉袴の股立高く取って、天秤棒を手に庭へと出た。其の時分の書生のさまなぞ、今から考えると、幕府の当時と同様、可笑しい程主従の差別のついて居た事が、一挙一動思出される。 何・・・
永井荷風
「狐」
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