蛍の光窓の雪
《貧乏で油が買えず、晋の車胤は蛍を集めてその光で読書をし、また、孫康は窓の雪明かりで勉強したという故事から》苦学すること。蛍雪 (けいせつ) 。
蛍二十日に蝉三日
蛍と蝉の盛りが短いこと。物事の盛りの短いことのたとえ。
ほたるい【蛍藺】
カヤツリグサ科の一年草。溝や湿地に生え、高さ約50センチ。葉は鞘 (さや) 状。夏から秋、茎状の苞 (ほう) をもつ穂を出す。
ほたるいか【蛍烏賊】
ホタルイカモドキ科のイカ。胴長約6センチくらい。全身に多数の発光器をもち発光する。日本特産で、富山県では5月ごろ産卵のため海岸近くまで押し寄せ、群遊海面は特別天然記念物。食用。まついか。こいか。《季 春》「川水を恋ふとはあはれ—/素十」
ほたるいし【蛍石】
弗化 (ふっか) カルシウムを主成分とする鉱物。無色であるが、不純物を含み着色していることが多い。光沢のある結晶。等軸晶系。加熱により燐光 (りんこう) を、紫外線の照射により蛍光を発する。水に不溶。弗素の原料や特殊ガラス・製鉄用融剤などに使用。フローライト。
ほたるが【蛍蛾】
マダラガ科の昆虫。翅 (はね) の開張約5センチ。前翅は黒色で白い帯があり、特有の匂いをもつ。夏の日中、ひらひら飛ぶ。幼虫はヒサカキ・マサキの葉を食べる。
ほたるがい【蛍貝】
マクラガイ科の巻き貝。潮間帯にすみ、殻高2センチほどの砲弾形。殻は光沢が強く、栗色のすじがある。干潟をはい回って二枚貝の稚貝を食べる。
ほたるかご【蛍籠】
蛍を入れておくかご。《季 夏》「ことのほか蒸す夜となりぬ—/万太郎」
ほたるかずら【蛍葛】
ムラサキ科の多年草。日当たりのよい山野に自生。高さ約20センチで、長楕円形の葉を互生。全体に粗い毛がある。春、茎頂にるり色の5弁花を開く。花後、基部から横にはう枝を出し、新株を生じる。るりそう。ほたるそう。《季 夏》
ほたるがっせん【蛍合戦】
交尾のために多くの蛍が入り乱れて飛ぶこと。《季 夏》