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・・・それは訳読した漢文を原形に復するので、ノーミステーキの者が褒詞を得る。闘文闘詩が一月に一度か二度ある、先生の講義が一週一二度ある、先ずそんなもので、其の他何たる規定は無かったのです。わたくしの知っている私塾は先ずそんなものでした。で、自宅練・・・
幸田露伴
「学生時代」
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・・・それから筒井の褒詞を受けて酉の下刻に引き取った。 続いて酒井家の大目附から、町奉行の糺明が済んだから、「平常通心得べし」と、九郎右衛門、りよ、文吉の三人に達せられた。九郎右衛門、りよは天保五年二月に貰った御判物を大目附に納めた。 閏・・・
森鴎外
「護持院原の敵討」