あかがえる【赤蛙】
島木健作の短編小説。昭和21年(1946)「人間」誌の創刊号に掲載。前年に結核で没した著者の遺作。自らの時代への抵抗と挫折を、急流に押し流される赤蛙の姿に重ね合わせた心境小説。
あらし
(嵐)島崎藤村の小説。大正15年(1926)「改造」誌に発表。母を失った子供たちの成長と巣立ちを見守る作者の心境を描く。
(あらし)《原題、(イタリア)Tempeste》イタリアの女流詩人・...
いか‐ん【如何/奈何】
《「いかに」の音変化》 [名]事の次第。なりゆき。ようす。「理由の—によっては」「事の成否は君の協力—による」
[副]文末に用いて、状態などについての疑問を表す。どんなであろうか。「君の心境や—」
エクスタシー【ecstasy】
1 快感が最高潮に達して無我夢中の状態になること。恍惚(こうこつ)。忘我。 2 宗教的儀礼などの際に体験される神秘的な心境。しばしば幻想・予言、仮死状態などを伴う。脱魂。 3 俗に、錠剤型の麻薬...
かき‐くど・く【掻き口説く】
[動カ五(四)]自分の心境を訴えたり、相手を説得したりするため、くどくどと繰り返し述べたてる。「子に先立たれた老いの身を—・く」
歌境
〔歌を詠むときの心境〕the poet's mood when writing a poem
画境
1〔絵に現れた境地〕the feeling [atmosphere/mood] of a picture [painting]2〔絵をかく心境〕画境に入るbe inspired to paint...
境地
〔状態〕a state;〔心境〕a mental state彼はそういう境地に達していたHe had attained that state of mind.彼はついに新境地を開いたHe fin...
句境
〔俳句を作る心境〕one's state of mind when composing haiku;〔俳句のうまさの段階〕a level of proficiency in the compos...
心境
a state of mindその本を読んでから心境の変化を来たしたReading that book brought about a change in my state of mind.心境...
しんきょう【心境】
[共通する意味] ★心の状態。[英] a state of mind[使い方]〔心境〕▽受賞者に現在の心境を聞く▽あんなことをするとは、どんな心境なのだろうか〔境地〕▽独自の境地を開く▽悟りの境...
きょうち【境地】
[共通する意味] ★心の状態。[英] a state of mind[使い方]〔心境〕▽受賞者に現在の心境を聞く▽あんなことをするとは、どんな心境なのだろうか〔境地〕▽独自の境地を開く▽悟りの境...
きょう【境】
[共通する意味] ★心の状態。[英] a state of mind[使い方]〔心境〕▽受賞者に現在の心境を聞く▽あんなことをするとは、どんな心境なのだろうか〔境地〕▽独自の境地を開く▽悟りの境...
しずまる【静まる】
[共通する意味] ★高ぶっていた気持ちが安定した状態になる。[英] to settle down[使い方]〔落ち着く〕(カ五)▽彼も結婚すれば落ち着くだろう▽なかなか落ち着いた心境になれない▽慌...
おちつく【落ち着く】
[共通する意味] ★高ぶっていた気持ちが安定した状態になる。[英] to settle down[使い方]〔落ち着く〕(カ五)▽彼も結婚すれば落ち着くだろう▽なかなか落ち着いた心境になれない▽慌...
いっぺんのひょうしん【一片氷心】
俗塵ぞくじんに染まらず清く澄みきった心、また心境のこと。名利を求めず、汚れなく清らかな品行のたとえ。ひとかけらの氷のように清く澄んだ心の意から。▽「氷」は「冰」とも書く。
かんうんやかく【閑雲野鶴】
世俗に拘束されず、自由にのんびりと暮らすたとえ。また、自適の生活を送る隠士の心境のたとえ。大空にゆったりと浮かぶ雲と、広い野にいる野生のつるの意から。▽「閑雲」は大空にゆったりと浮かぶ雲。「野鶴」は野に気ままに遊ぶつる。何ものにもしばられない自由な生活のたとえ。「閑」は「間」とも書く。
きょきへいしん【虚気平心】
感情をなくして心を落ち着けること。心をむなしくして平静にすること。また、その心境。▽「虚気」は感情をなくして心をむなしくすること。「平心」は心を落ち着けること。「気きを虚むなしくして心こころを平たいらかにす」と訓読する。
きょしんたんかい【虚心坦懐】
心になんのわだかまりもなく、気持ちがさっぱりしていること。心にわだかまりがなく、平静に事に望むこと。また、そうしたさま。▽「虚心」は心に先入観やわだかまりがなく、ありのままを素直に受け入れることのできる心の状態。「坦懐」はわだかまりがなく、さっぱりとした心。平静な心境。
こぼくかんがん【枯木寒巌】
世俗に超然とした悟りの境地のたとえ。枯れた木と冷たい岩の意から。仏教、特に禅宗で「枯木」「寒巌」を、情念を滅却した悟りの境域にたとえる。また、情味がなく冷淡で取っつきにくい態度・性質などのたとえに用いられることもある。▽「巌」はいわお。高く大きな石。「寒巌枯木かんがんこぼく」ともいう。
エピクテトス【Epiktētos】
[55ころ〜135ころ]ストア学派の哲学者。奴隷であったが、のちに解放された。理性的な意志の力によって不動の心境(アパテイア)に達すべきことを説いた。死後に弟子が講義集録「綱要」などをまとめた。
エピクロス【Epikūros】
[前341ころ〜前270ころ]古代ギリシャの哲学者。エピクロス学派の祖。人生の目的は精神的快楽にあるとし、心境の平静(アタラクシア)を求めた。
かのう‐さくじろう【加能作次郎】
[1885〜1941]小説家。石川の生まれ。自然主義の流れをくむ自伝的・身辺雑記的心境小説を書いた。作「厄年」「世の中へ」「乳の匂ひ」など。
とくだ‐しゅうせい【徳田秋声】
[1872〜1943]小説家。金沢の生まれ。本名、末雄。尾崎紅葉の門に入る。自然主義文学の代表的作家として活躍、大正中期以後は心境小説に秀作を残した。作「黴」「あらくれ」「仮装人物」「縮図」など。