いず‐く【何処】
[代]《「いずこ」の古形》不定称の指示代名詞。どこ。「—より来りしものそ」〈万・八〇二〉
いずく‐にか【何処にか】
[副]「いずくんか」に同じ。「—舟泊(は)てすらむ安礼の崎漕ぎたみ行きし棚なし小舟」〈万・五八〉
いずくのかに【いづくの蟹】
光岡明の小説。昭和51年(1976)「文学界」誌に発表。第75回芥川賞候補作となる。
何処(いずく)はあれど
多くの所があるが、その中で特に。「みちのくは—しほがまの浦こぐ舟の綱手悲しも」〈古今・東歌〉
い‐すくま・る【居竦まる】
[動ラ五(四)]《「いずくまる」とも》恐ろしさや寒さのあまり、身がすくんで動けなくなる。いすくむ。「にらまれて—・る」
いずくん‐か【安んか/焉んか】
[副]《「いずくにか」の音変化》どこに…か。「室に入りて問ふ、—ゆくと」〈文鏡秘府論保延点〉
いずくん‐ぞ【安んぞ/焉んぞ】
[副]《「いずくにぞ」の音変化》漢文訓読の用語で、あとに推量を伴って反語を表す。どうして…だろうか。「人—常に悪(あし)からむ」〈露伴・二日物語〉