こころ‐おとり【心劣り】
[名](スル) 1 予想していたよりも劣っていること。期待外れ。「—する出来ばえ」⇔心勝(こころまさ)り。 2 気が引けること。気おくれ。「いとほしく—し給ふらむとおぼゆ」〈源・若菜上〉
こころ‐おぼえ【心覚え】
1 心の中に覚えていること。「そのことについては全く—がない」 2 忘れないための控えやしるし。メモ。「—に赤丸をつける」
心(こころ)重(おも)・し
1 思慮深い。人柄が落ち着いている。「すぐれてをかしう、—・く」〈紫式部日記〉 2 俳諧で、おもむきが軽快でない。「ふかくおもひしづみ、かへって—・く詞(ことば)しぶり」〈去来抄・先師評〉
こころ‐おもむけ【心趣け】
心の向き。意向。「かやうなる御—のありがたくおはしませば、御祈りともなりて」〈大鏡・師輔〉
心(こころ)及(およ)・ぶ
考えが行き届く。気がつく。「かの院、何事も—・び給はぬことはをさをさ無きうちにも」〈源・若菜下〉
心(こころ)折(お)・れる
気持ちや考えがそちらに向かう。また、気持ちが弱る。「妹の説得に父も—・れたようだ」「相次ぐ困難に—・れる」→心が折れる
心(こころ)掛(か)・く
1 心にとめる。念頭におく。「常に心をかけて、しるきさまなる文などやあると…探し給へど」〈源・宿木〉 2 異性に思いをかける。恋する。「—・けたるすき者ありけり」〈源・末摘花〉
こころ‐かしこ・し【心賢し】
[形ク]利口であるさま。賢明である。気がきく。「—・き関守侍りと聞こゆ」〈枕・一三六〉
こころ‐から【心から】
[副]本当の気持ちで言動がなされるさま。心の底から。心底(しんそこ)から。心より。「—恋い慕う」「—喜ぶ」 [連語]他からの強制ではなく、自分の意志で。自分から求めて。「現世、後生、—徒(い...
こころ‐かる・し【心軽し】
[形ク]軽薄である。心が移りやすい。こころかろし。「出でて去(い)なば—・しと言ひやせむ世のありさまを人は知らねば」〈伊勢・二一〉