ねはん【涅槃】
《(梵)nirvāṇaの音写。吹き消すことの意》仏語。 1 煩悩(ぼんのう)の火を消して、智慧(ちえ)の完成した悟りの境地。一切の悩みや束縛から脱した、円満・安楽の境地。仏教で理想とする、仏の悟...
ねはん‐え【涅槃会】
陰暦2月15日の釈迦(しゃか)入滅の日に行う法会。涅槃像をかかげ、遺教経(ゆいきょうぎょう)を読誦(どくじゅ)する。涅槃講。常楽会。《季 春》「—や心よい日の兆典司(てうでんす)/太祇」
ねはん‐ぎょう【涅槃経】
⇒大般涅槃経(だいはつねはんぎょう)
ねはん‐こう【涅槃講】
「涅槃会(ねはんえ)」に同じ。
ねはん‐しゅう【涅槃宗】
大般涅槃経を所依とする宗派。中国、南北朝の梁代に盛んに行われた。中国十三宗の一。
ねはん‐ず【涅槃図】
釈迦が沙羅双樹(さらそうじゅ)の下で入滅する情景を描いた図。一般に、釈迦が頭を北、顔を西、右脇を下にして臥(ふ)し、周囲に諸菩薩(ぼさつ)や仏弟子・鬼畜類などが集まって悲嘆にくれるさまを描いたも...
ねはん‐ぞう【涅槃像】
釈迦入滅の姿を描いた絵や彫像。寝釈迦。《季 春》
ねはん‐にし【涅槃西風】
陰暦2月15日の涅槃会の前後に吹く風。《季 春》「舟べりに鱗の乾く—/信子」
ねはん‐もん【涅槃門】
仏語。 1 煩悩を去って悟りの境界へ入る門戸。 2 四門の一。北方の門をいう。