なごり‐の‐たもと【名残の袂】
「名残の袖(そで)」に同じ。「泣いて尽きせぬ—見捨てて抱(かか)へを手繰り寄せ」〈浄・天の網島〉
なごり‐の‐ちゃ【名残の茶】
茶の湯で、残り少なくなった前年の古茶の名残を惜しんで、陰暦8月末日から9月にかけて催す茶会。今は、風炉から炉に移る10月中旬より下旬にかけて催す。名残の茶事。
なごり‐の‐ちゃじ【名残の茶事】
「名残の茶」に同じ。
なごり‐の‐なみだ【名残の涙】
名残を惜しんで流す涙。別れの涙。「息をとぢたる眼(まなこ)にも—せきあへず」〈浄・用明天王〉
なごり‐の‐はな【名残の花】
1 散り残っている花。残花。多く桜をいう。 2 連句で、名残の折の裏に詠む花。歌仙では名残の裏の5句目に花の句を詠み込む。
におい‐の‐はな【匂いの花】
連句で、名残の裏の定座(じょうざ)(歌仙では5句目、百韻では7句目)に詠み込む花。名残の花。→花の定座
に‐の‐うら【二の裏】
連歌・俳諧で、百韻の二の折の裏。歌仙では名残の裏にあたる。
に‐の‐おもて【二の表】
連歌・俳諧で、百韻の二の折の表。歌仙では名残の表にあたる。
に‐の‐おり【二の折】
連歌・俳諧で、百韻一巻を書くときの懐紙の2枚目の一折。裏表にそれぞれ14句を記す。歌仙では名残の折にあたる。
ね‐すぐ・す【寝過ぐす】
[動サ四]「寝過ごす」に同じ。「恐ろしと思ひ明かし給ひける名残りに—・して」〈源・野分〉