あらの【阿羅野/曠野】
江戸中期の俳諧集。山本荷兮(やまもとかけい)編。3冊。元禄2年(1689)刊。芭蕉をはじめとする発句735句と、歌仙10巻を収める。芭蕉晩年の特徴である「軽み」の兆しがみられる。俳諧七部集の一。...
か‐せん【歌仙】
1 すぐれた歌人。「歌聖」に次ぐ人ともいう。六歌仙や三十六歌仙が有名。 2 連歌・俳諧の形式の一つで、長句と短句を交互に36句続けたもの。2枚の懐紙の第1紙の表に6句、裏に12句、第2紙の表に1...
かせん【歌仙】
狂言。和泉(いずみ)流。絵馬に描かれた六歌仙が絵から抜け出して月見の宴を開き、小町をめぐって遍昭(へんじょう)と人丸らとが争うが、夜明けとともに絵馬に収まる。
かせん‐え【歌仙絵】
三十六歌仙などの肖像を描き、これにその代表的な和歌を書き添えたもの。鎌倉時代、似絵(にせえ)の一ジャンルとして最も盛行し、佐竹本三十六歌仙絵巻などが代表作。
かん‐しき【巻式】
連歌・俳諧で、一巻に収める句数によって定められた形式。歌仙・百韻・千句など。
く‐かず【句数】
1 句の数。 2 連歌・俳諧で、百韻または歌仙一巻のうち同季・同種の句を何句まで連ねてよいか規定したもの。 3 連歌・俳諧で、一巻を巻き終わったあと、懐紙の巻末に作者名とその句の数を記入すること...
こきんわかしゅう【古今和歌集】
最初の勅撰和歌集。八代集の第一。20巻。延喜5年(905)の醍醐天皇の命により、紀貫之(きのつらゆき)・紀友則(きのとものり)・凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)・壬生忠岑(みぶのただみね)が撰...
さるみの【猿蓑】
江戸中期の俳諧集。6巻2冊。去来・凡兆共編。元禄4年(1691)刊。俳諧七部集の一。発句・歌仙のほか「幻住庵記」などを収める。蕉風の円熟期を示すものとされる。
さんじゅうろく‐しせん【三十六詩仙】
江戸時代、石川丈山が三十六歌仙にならって選んだ、中国の漢から宋に至るすぐれた詩人36人。その肖像を狩野探幽(かのうたんゆう)らに描かせ、詩仙堂の四壁に掲げた。
さんじゅうろくにんしゅう【三十六人集】
三十六歌仙の私家集の集成。特に西本願寺に伝えられる平安後期の古写本は、すぐれた書風と料紙や装本の美しさで美術史上重要なもの。→石山切(いしやまぎれ)