お‐の‐こ【男の子/男】
1 成人の男子。おとこ。⇔女(め)の子。「—やも空しくあるべき万代(よろづよ)に語り継ぐべき名は立てずして」〈万・九七八〉 2 男の子。むすこ。「すべて—をば、女に笑はれぬやうにおほしたつべしと...
おり‐まつ【折り松】
薪(たきぎ)・篝火(かがりび)・松明(たいまつ)などにするために折った松の枝。「いでゐの殿上人の—するも」〈弁内侍日記〉
かみ‐ざま【上様/上方】
《古くは「かみさま」とも》 1 うえの方。⇔下様(しもざま)。「露の落つるに枝のうち動きて、人も手ふれぬに、ふと—へあがりたるも」〈枕・一三〇〉 2 上流階級の人々。身分の高い人々。⇔下様(しも...
かん‐じょう【還昇】
《「かんしょう」とも》昇殿を止められていた殿上人が、再び昇殿を許されること。還(かえ)り殿上。かんじょ。げんじょう。「—して侍りける人のもとに」〈千載・雑中・詞書〉
ぎぎ‐め・く
[動カ四] 1 ぎぎと鳴きさわぐ。「赤く大なる鼬(いたち)の…大きに—・きて」〈盛衰記・一三〉 2 いきり立つ。「数万人の公卿殿上人、我も我もと—・き参り給ふ」〈伽・熊野の御本地〉
くものうえ‐びと【雲の上人】
1 宮中の人。皇族。 2 殿上人。雲客。うんじょうびと。「いとどしく虫の音しげき浅茅生(あさぢふ)に露おきそふる—」〈源・桐壺〉
くろうどどころ‐の‐べっとう【蔵人所別当】
蔵人所の長官。殿上人(てんじょうびと)および蔵人所の職員を統轄した。殿上別当。蔵人の別当。
けいしょう‐うんかく【卿相雲客】
公卿(くぎょう)と殿上人(てんじょうびと)。昇殿を許された官人。「一門の—の家々二十余ケ所」〈平家・七〉
げっけい‐うんかく【月卿雲客】
公卿(くぎょう)と殿上人(てんじょうびと)。「—一人も随(したが)はず」〈平家・一一〉
こ‐さき【小前/小前駆】
殿上人(てんじょうびと)が通行の際、先払いが警蹕(けいひつ)の声を短く引くこと。「殿上人のは短ければ、大前(おほさき)—とつけて聞きさわぐ」〈枕・七八〉