有(あ)るにも有(あ)ら◦ず
生きているのかどうかもわからないような状態。また、気が転倒して正気を失った状態をいう。無我夢中だ。「さりともと思ふらむこそ悲しけれ—◦ぬ身を知らずして」〈伊勢・六五〉
エクスタシー【ecstasy】
1 快感が最高潮に達して無我夢中の状態になること。恍惚(こうこつ)。忘我。 2 宗教的儀礼などの際に体験される神秘的な心境。しばしば幻想・予言、仮死状態などを伴う。脱魂。 3 俗に、錠剤型の麻薬...
が‐くう【我空】
仏語。人間の身心は因縁によって仮に生成したものであり、永久不変の我がそこにあるのではないということ。人無我。→法空(ほっくう)
きょう【境】
1 場所。地域。土地。「無人の—」 2 心の状態。境地。「無我の—に入る」 3 環境。境遇。「誰しも—には転ぜらるる習いなり」〈露伴・露団々〉 4 仏語。五官および心の働きにより認識される対象。...
こんごうはんにゃ‐きょう【金剛般若経】
大乗経典。1巻。鳩摩羅什(くまらじゅう)訳が著名。一切法の空(くう)・無我を説き、特に禅宗の系統で重んじられた。金剛般若波羅蜜経。金剛経。
さん‐ぼういん【三法印】
小乗仏教で、仏教の根本的な理念を示す旗印である三つの教理。諸行無常、諸法無我、涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)。
し‐てんどう【四顛倒】
仏語。真の仏の智慧からみれば誤っている四つの考え。無常を常、苦を楽、無我を我、不浄を浄と思う凡夫のまちがった考え。また、涅槃(ねはん)の実相に対して、常を無常、楽を苦、我を無我、浄を不浄と誤り解...
し‐ねんじょ【四念処】
仏語。三十七道品(ほん)の最初の修行法。身を不浄とする身念処、感受するものすべて苦とする受念処、心は無常とする心念処、法は無我であるとする法念処の四つをいう。
じょう‐らく‐が‐じょう【常楽我浄】
仏語。 1 涅槃(ねはん)の四徳。常住不変の常、安楽で苦を離れた楽、自在で障りとなるもののない我、迷いがなく無垢(むく)清浄である浄。転じて、極楽浄土にいるように何の心配もなく、のどかな生活にい...
ぜん【禅】
1 《(梵)dhayānaの音写「禅那」の略。定・静慮と訳す》仏語。精神を集中して無我の境地に入ること。 2 「禅宗」の略。