さな‐かずら【真葛/実葛】
[名]サネカズラのこと。「—の根を舂(つ)き、其の汁の滑(なめ)を取りて」〈記・中〉 [枕]葛はつるが分かれたのち先でまたあうところから、「のちもあふ」にかかる。「—後も逢はむと」〈万・三二八〇〉
さね‐かずら【真葛/実葛】
[名]マツブサ科の蔓性(つるせい)の常緑低木。暖地の山野に自生。葉は楕円形で先がとがり、つやがある。雌雄異株で、夏、黄白色の花をつけ、実は熟すと赤くなる。樹液で髪を整えたので、美男葛(びなんか...
ま‐くず【真葛】
葛の美称。「—延(は)ふ夏野の繁くかく恋ひばまこと我が命常ならめやも」〈万・一九八五〉
まくず‐が‐はら【真葛原】
京都市東山区北部の円山公園の辺り一帯の称。
まくず‐はら【真葛原】
葛の一面に生えている原。「—なびく秋風吹くごとに阿太(あだ)の大野の萩の花散る」〈万・二〇九六〉
まくず‐やき【真葛焼】
幕末に、京都の真葛原(まくずがはら)で宮川長造が焼き始めた陶磁器。明治4年(1871)四男の宮川香山が横浜の太田町に移窯、太田焼ともいう。