くさば‐の‐つゆ【草葉の露】
草の葉に置く露がすぐ消えるところから、人の命などのはかないことのたとえ。「わが思ふ人は—なれやかくれば袖のまづそほつらむ」〈拾遺・恋二〉
くさ‐びら【草片/蔬/茸/菌】
《古くは「くさひら」》 1 (茸・菌)きのこ類。《季 秋》「飢えては樹菓(このみ)—に、渇いては石の罅隙(はざま)の真清水に」〈露伴・新浦島〉 2 (草片・蔬)野菜。あおもの。「—を食ひて戒(い...
楔(くさび)を打(う)ち込(こ)・む
1 敵陣の中に攻め込んで、その勢力を二分する。また、他の勢力範囲の中に地盤を築く。「一社独占の市場に—・む」 2 親しい間柄に邪魔を入れる。「互いの愛情の少しの間隙(すき)に頓(やが)ては—・ん...
くさ‐むしろ【草筵】
1 藁(わら)などで作った筵。 2 筵を敷きつめたように、草が一面に生えていること。また、草を敷物とすること。「うちなびき秋きたりとや—野もせの露の玉をしくらん」〈夫木・一〇〉 3 旅先での粗末...
くさわけ‐ごろも【草分け衣】
草深い所を分けて行くときに着る着物。また、旅衣。「狩人の—ほしもあへず秋のさが野のよもの白露」〈玉葉・秋上〉
くず‐かずら【葛/葛蔓】
[名]クズの別名。
[枕] 1 クズの葉が風に裏返るところから、「うら」「うらみ」などにかかる。「秋はつる三室(みむろ)の山の—恨みしほどの言の葉もなし」〈新葉・恋五〉 2 クズのつるを繰る...
く‐ぜん【瞿然】
[ト・タル][文][形動タリ]驚いて見るさま。驚いて顔色を変えるさま。「—として悟りたまえりとなり」〈露伴・運命〉
くち‐きき【口利き】
1 間に立って紹介や世話をすること。また、その人。「友人の—で就職先が決まる」 2 交渉や談判などのうまい人。紛争の仲裁などに幅を利かせている人。「近所第一の—にて」〈露伴・いさなとり〉 3 弁...
くち‐ぶちょうほう【口不調法】
[名・形動]「口下手(くちべた)」に同じ。「—なる我口惜く、問い出る詞(ことば)を知らで様々考うる中」〈露伴・対髑髏〉
口(くち)を過(す)ご・す
1 生計を立てる。口を糊(のり)する。「親子四人の—・して行くばかりも容易でない」〈小杉天外・初すがた〉 2 余計なことをしゃべる。「弁説にまかせ—・しける乞食」〈咄・露がはなし・五〉