すい‐かずら【水鬘】
髪を結うときに用いた、鬢付(びんつけ)油の代用品。材料はサネカズラの茎の粘液。
そうぶ‐の‐かずら【菖蒲の鬘】
「あやめかずら」に同じ。「—赤紐の色にはあらぬを、領布(ひれ)、裾帯などして」〈枕・八九〉
たま‐かずら【玉鬘】
[名] 1 古代の装飾品の一。多くの玉を糸に通した髪飾り。「押木の—を持たしめて」〈記・下〉 2 かつら・かもじの美称。「あれを見よしらが女の—」〈誹諧連歌抄・恋〉 [枕]玉鬘を頭にかけると...
たまかずら【玉鬘】
源氏物語第22巻の巻名。光源氏、34歳から35歳。成人して筑紫から上京した玉鬘が、源氏の養女となるいきさつを描く。 の女主人公の名。頭中将(とうのちゅうじょう)の娘。母は夕顔。筑紫から上京...
はな‐かずら【花鬘】
1 時節の花を糸で連ねて作った挿頭(かざし)。「漢人(からひと)も筏(いかだ)浮かべて遊ぶといふ今日そ我が背子—せな」〈万・四一五三〉 2 山上に咲きそろった花を1に見立てた語。「雲のゐる遠山姫...
はね‐かずら【はね鬘】
年ごろになった少女がつける髪飾り。材料・形などは不明。「—今する妹をうら若みいざ率川(いざかは)の音のさやけさ」〈万・一一一二〉
ひかげ‐の‐かずら【日陰の蔓/日陰の鬘】
1 ヒカゲノカズラ科の常緑多年生の蔓性(つるせい)のシダ。山野に生え、茎は地をはい、針状の葉がうろこ状につく。茎から細い枝が直立し、長さ約5センチの黄色い胞子嚢(ほうしのう)の穂をつける。胞子を...
ひゃくにち‐かつら【百日鬘】
歌舞伎の鬘の一。月代(さかやき)の長くのびたようすを表現したもので、時代物の盗賊・囚人などの役に使う。
びなん‐かずら【美男鬘】
狂言装束の一。女性役に用いるかぶり物で、長さ約5メートルの白布を頭に巻き、両端を顔の左右に垂らして帯にはさんだもの。美男帽子。
ぼて‐かつら【ぼて鬘】
《「ぼてかづら」とも》紙で作った張り子の鬘。俄(にわか)・茶番狂言などに用いた。