あるはれたひに【ある晴れた日に】
加藤周一の小説。昭和24年(1949)、「人間」誌に連載。昭和25年(1950)、単行本刊行。医学生を主人公に、太平洋戦争末期から敗戦までの日々を描く。
《原題、(イタリア)Un bel d...
う‐しん【有心】
1 思慮・分別の深いこと。「大人びて—に物し給ふ人にて」〈栄花・根合〉 2 中世の歌学における美的理念の一。心情と言葉とが統一され、華やかさの中に寂しさを漂わす妖艶(ようえん)な余情美。心あり。...
うたて【転】
[副] 1 自分の心情とは関係なく、事態がどんどん進んでいくさま。ますます。「いつはなも恋ひずありとはあらねども—このころ恋し繁しも」〈万・二八七七〉 2 事の成り行きが、心に適わないとして嘆...
うっ‐くつ【鬱屈】
[名](スル)気分が晴れ晴れしないこと。心がふさぐこと。「—した心情」
エンパシー【empathy】
感情移入。人の気持ちを思いやること。 [補説]シンパシー(sympathy)は他人と感情を共有することをいい、エンパシーは、他人と自分を同一視することなく、他人の心情をくむことをさす。
おお【凡】
[形動ナリ]《「おぼ」とも》 1 事物の形状や人の心情などが、はっきりしないさま。ぼんやりしているさま。いいかげん。「佐保山を—に見しかど今見れば山なつかしも風吹くなゆめ」〈万・一三三三〉 2 ...
おひゃくどもうで【お百度詣】
大塚楠緒子による長詩。明治38年(1905)「太陽」誌に発表。日露戦争に出征した夫の無事を祈る妻の心情を描き、与謝野晶子の「君死にたまふこと勿(なか)れ」と並ぶ厭戦(えんせん)詩として知られる。
おもい‐やり【思い遣り】
1 他人の身の上や心情に心を配ること。また、その気持ち。同情。「—のある処置」「病人に対する—がない」 2 想像。推察。「奥山の—だに悲しきにまたあま雲のかかるなになり」〈かげろふ・上〉 3 思...
おもい‐や・る【思い遣る】
[動ラ五(四)] 1 他人の身の上や心情を推し量って、同情する。また、配慮する。「被災者の生活を—・る」 2 遠く隔たっている人や物事を思う。思いをはせる。「故郷の母を—・る」「老後を—・る」 ...
かえらざるなつ【帰らざる夏】
加賀乙彦の長編小説。陸軍幼年学校へ入学した生徒の、戦時下から終戦にかけての心情や苦悩を描く。昭和48年(1973)刊行。同年、第9回谷崎潤一郎賞受賞。