いちげん‐びょうしゃ【一元描写】
岩野泡鳴(いわのほうめい)が唱えた描写の方法論。小説の中で、作者の主観を移入した人物を設定し、その視点から描写を一元的に統一すべきだとする。田山花袋の平面描写に反対して主張したもの。⇔多元描写。
かんかく‐びょうしゃ【感覚描写】
文学・絵画などで、特に感覚的な印象を重視する描写。
がいめん‐びょうしゃ【外面描写】
人物の外面的行動や状態の描写を通して、その性格・心理までを示そうとする方法。近代のリアリズム小説に多くみられる。
きゃっかん‐びょうしゃ【客観描写】
対象をあるがままに、作者の主観を加えずに描き出すこと。自然主義文学で多く試みられた。
しんり‐びょうしゃ【心理描写】
小説などで、作中人物の心理過程や意識の内面を分析して描き出すこと。
せいかく‐びょうしゃ【性格描写】
小説や戯曲で、登場人物の性格を描き出すこと。
たげん‐びょうしゃ【多元描写】
小説の描写法の一種で、いくつかの視点から事件や人物などを客観的に描くこと。⇔一元描写。
ないめん‐びょうしゃ【内面描写】
小説などで、人物の心理や感情の動きなどを描くこと。
びょう‐しゃ【描写】
[名](スル)物の形や状態、心に感じたことなどを、言葉・絵画・音楽などによって写しあらわすこと。「情景を—する」「心理—」
へいめん‐びょうしゃ【平面描写】
作者の主観をまじえず、対象や事件の経過の表面だけをありのままに描く文芸上の手法。明治40年代、田山花袋が主張。