ごく‐ぬすびと【穀盗人】
江戸時代、なんの役にも立たずに、俸禄だけをもらって過ごしている者をののしっていう語。ろくぬすびと。ごくつぶし。
ちぎょう‐ぬすびと【知行盗人】
知行を受けながら、それだけの才能や功績のない者をののしっていう語。禄(ろく)盗人。「枕刀に手も掛けず、あまっさへ秘書まで奪はれ、打ち殺されたは—」〈伎・幼稚子敵討〉
とう‐じん【盗人】
ぬすびと。盗賊。
ぬすっ‐と【盗人】
「ぬすびと」の音変化。
ぬす‐と【盗人】
「ぬすびと1」に同じ。「嘘は云わん、—はせん男と云う事が」〈蘆花・思出の記〉
ぬす‐びと【盗人】
1 他人の所有物を盗み取る者。盗賊。どろぼう。ぬすっと。ぬすと。 2 人をののしっていう語。ぬすっと。「かぐや姫てふ大—の奴が」〈竹取〉
はな‐ぬすびと【花盗人】
花、特に桜の花の枝を手折って持っていく人。花どろぼう。《季 春》 [補説]作品名別項。→花盗人
はなぬすびと【花盗人】
狂言。桜の枝を盗み折ろうとして捕らえられ、桜の幹に縛りつけられた男が、歌を詠んで、その風雅のゆえに許される。
乃南アサの短編小説、および同作を表題作とする小説集。小説集は平成10年(1998...
ひる‐ぬすびと【昼盗人】
1 昼間、盗みをする者。「こは—の入りにたるにこそありけれ」〈今昔・二九・四〉 2 良民のような顔をして悪事を働く者。「書き出し請けて済まさぬは…—に同じ」〈浮・胸算用・一〉
みそか‐ぬすびと【密か盗人】
こそどろ。「—の、さるべきものの隈々(くまぐま)にゐて見るらむをば誰かは知る」〈枕・一二四〉