むらさき‐たび【紫足袋】
紫色に染めた筒長の革足袋。同色の革ひもで結ぶ。多くは鹿革製で、室町時代から江戸初期に流行。主に女性の晴れ着に用いられた。
むらさき‐だ・つ【紫立つ】
[動タ五(四)]紫色を帯びる。紫がかる。「烽火(のろし)が—・って暗黒な空の中でぱっとはじけると」〈有島・生れ出づる悩み〉
むらさき‐つゆくさ【紫露草】
ツユクサ科の多年草。高さ約50センチ。葉は広線形。春から夏にかけ、紫色の3弁花が朝に開き、午後にしぼむ。北アメリカの原産で、庭などに栽培。また、雄しべの花糸(かし)は細胞が1列に並んで観察しやす...
むらさき‐におい【紫匂】
1 上から下へ紫色をしだいに薄くした染め色。 2 襲(かさね)の色目の名。上を濃い紫にして、下をしだいに薄くしたもの。 3 鎧(よろい)の威(おどし)の一。紫色の糸で上部から下部へしだいに薄くな...
むらさき‐の【紫の】
[枕] 1 ムラサキの根で染めた色の美しいところから、「にほふ」にかかる。「—にほへる妹を憎くあらば」〈万・二一〉 2 紫色が名高い色であったところから、地名「名高(なたか)」にかかる。「—名高...
紫(むらさき)の朱(あけ)を奪(うば)う
《「論語」陽貨から》古代正色とされていた朱にかわり、孔子のころには間色である紫が好まれるようになったところから、まがいものが本物にとってかわり、その地位を奪うことのたとえ。また、似て非なるものの...
むらさき‐の‐うすよう【紫の薄様】
1 紫色に染めた薄い紙。 2 襲(かさね)の色目の名。上から下へ紫色をしだいに薄くしたもの。女房の五衣(いつつぎぬ)では下の二領を白とする。
むらさき‐の‐くも【紫の雲】
1 紫色の雲。めでたいしるしとされる雲。しうん。「君がため折れるかざしは—におとらぬ花のけしきか」〈源・宿木〉 2 皇后の異称。「—のよそなる身なれども」〈後拾遺・賀〉
むらさき‐の‐くもじ【紫の雲路】
《極楽には紫の雲がたなびいているというところから》極楽の空。「—にさそふ琴の音に憂き世をはらふ嶺の松風」〈新古今・釈教〉
むらさき‐の‐ちり【紫の塵】
《和漢朗詠集・上の「紫塵(しじん)の嫩(わか)き蕨(わらび)は人手を拳(にぎ)る」の「紫塵」の訓読み》ワラビの芽。「武蔵野のすぐろが中の下蕨まだうら若し—」〈長方集〉