[形][文]しげ・し[ク]
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1 草木などが密集しているさま。「枝が—・く伸びた」
「—・き草、蓬 (よもぎ) をだにかき払はむ」〈源・蓬生〉
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2 数量が多い。たくさんある。
「光冷やかに、白露は地に—・く」〈中島敦・山月記〉
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3 回数が多い。絶え間ない。「雨が—・くなる」
「昔は、牛車の行きかいの—・かった道も」〈芥川・偸盗〉
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4 多すぎて煩わしい。うるさい。
「人言の—・くしあらば君もあれも絶えむと言ひて逢ひしものかも」〈万・三一一〇〉
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5 人家などが密集しているさま。込み合っている。
「隣—・く、とがむる里人多く侍らむに」〈源・夕顔〉
[補説]現代では終止形・連体形を用いることはほとんど無く、連用形「しげく」が多く用いられる。→
繁 (しげ) く