さいとう‐りょくう【斎藤緑雨】
[1868〜1904]小説家・評論家。三重の生まれ。本名、賢(まさる)。別号、正直正太夫など。仮名垣魯文に師事。鋭い風刺を含む批評で知られた。小説「油地獄」「かくれんぼ」など。
ジュネ【Jean Genet】
[1910〜1986]フランスの小説家・劇作家・詩人。泥棒、男娼、放浪生活をしながら作品を書き、悪や汚れを鋭い感受性と多彩な言語表現で聖性に転化させた。のち、前衛的な不条理劇の戯曲を発表。小説「...
チョーサー【Geoffrey Chaucer】
[1340ころ〜1400]英国の詩人。「英詩の父」といわれる。鋭い人間観察と寛容なユーモアにより、中世ヨーロッパの物語文学の集大成ともいうべき「カンタベリー物語」を発表。
デューラー【Albrecht Dürer】
[1471〜1528]ドイツの画家。鋭い観察力に基づく写実的表現のなかに深い精神性を示し、ドイツ‐ルネサンスを代表。宗教的主題が多く、版画にもすぐれた。また、理論書も発表。作「四人の使徒」など。
なかむら‐みつお【中村光夫】
[1911〜1988]評論家・劇作家・小説家。東京の生まれ。本名、木庭一郎。近代リアリズムの歴史をたどり、日本近代文学に対して鋭い批判を行った。評論「二葉亭論」「風俗小説論」、小説「わが性の白書...
ながい‐みちこ【永井路子】
[1925〜2023]小説家。東京の生まれ。本名、黒板拡子(くろいたひろこ)。正確な時代考証と鋭い現代的感覚を併せ持つ歴史小説で、多くの読者を得る。「炎環」で直木賞受賞。他に「雲と風と」「北条政...
はやし‐たつお【林達夫】
[1896〜1984]評論家。東京の生まれ。自由主義的な思想家として、政治・思想・文化の動向に鋭い批判を加えた。平凡社の「世界大百科事典」編集長。著「思想の運命」「歴史の暮方」「共産主義的人間」など。
ひらの‐けん【平野謙】
[1907〜1978]評論家。京都の生まれ。本名、朗(あきら)。政治と文学、私小説などをテーマに鋭い評論を発表。戦後文学の代表的評論家として活躍。著「島崎藤村」「芸術と実生活」「昭和文学史」など。
ピカート【Max Picard】
[1888〜1965]ドイツの医師・思想家。芸術・宗教・文化などについての思索を深め、鋭い文明批評を行った。著「神よりの逃走」「われわれ自身のなかのヒトラー」など。
フィールディング【Henry Fielding】
[1707〜1754]英国の小説家。劇作から小説に転じ、鋭い洞察力により、笑いのなかに人間性の問題を追求。「英国小説の父」と称される。作「ジョーゼフ=アンドルーズ」「トム=ジョーンズ」など。