とすると/とすれば/としたら/ては/かぎり(は)/ことには の解説 - 小学館 類語例解辞典

とすると/とすれば/としたら/ては/かぎり(は)/ことには の共通する意味

順接の仮定条件を表わす。

とすると/とすれば/としたら/ては/かぎり(は)/ことには の使い方

とすると
▽このまま後継者が決まらないとすると、社内は大混乱になるでしょう
とすれば
▽もし彼が負けるとすれば、よほど体調の悪いときだろう
としたら
▽百人集まるとしたら会費は三千円でいいだろう
ては
▽知られては都合の悪いことが山ほどある
かぎり(は)
▽よほどのことがないかぎり、実家には帰らないつもりです
ことには
▽早く出発しないことには日が暮れてしまう ▽いまのうちに何か手を打たないことにはたいへんなことになる

とすると/とすれば/としたら/ては/かぎり(は)/ことには の使い分け

「とすると」「とすれば」「としたら」は、ほぼ同じように使われるが、「とすれば」はやや疑いの気持ちが強く、「としたら」は会話表現になじみやすい。また、これらの表現が事実とは反対の仮定をして、実際はそうでなかったからよかった(悪かった)、という気持ちを言外に表わすこともある。「もし私たちに法律についての知識がなかったとしたら、うまくだまされるところでした」
「ては」が「XてはY」の形で順接仮定条件を表わす場合には、Yに望ましくない事態がおかれるのが普通である。
「かぎり(は)」は、…するうちは、…するあいだは、の意味である。
「ことには」は、否定の助動詞「ない」を受けて、「…しないことには」の形で、もし…しなければの意味を表わす。「ことには」には、…しなければ(一層)悪い事態が生じるだろう、という気持ちがあるので、「XことにはY」のYには望ましくない事態がおかれる。つまり、「今遊ばないことには後で遊べなくなる」はいえても、「今遊ばないことには計画どおり勉強できる」とはいえない。