《室町時代までは「あた」》

  1. 仕返しをしようと思う相手。敵。かたき。「親の—を討つ」

  1. 恨みに思って仕返しをすること。また、その恨み。「恩を—で返す」

  1. 害をなすもの。危害。「親切のつもりが—となる」

  1. 攻めてくる敵兵侵入してくる外敵

    1. 「しらぬひ筑紫 (つくし) の国は—守る押への城 (き) そと」〈・四三三一〉

[形動][文][ナリ]
  1. 実を結ばずむなしいさま。無益なさま。むだ。「せっかくの好意が—になる」

  1. 浮ついたさま。不誠実で浮気っぽいさま。

    1. 「—なる恋にはあらで、女夫 (めおと) の契を望みしなり」〈紅葉金色夜叉

  1. 一時的ではかないさま。かりそめ。

    1. 「なかなかに—なる花は散りぬともまつを頼まぬ人のあらめや」〈為頼集〉

  1. いいかげんなさま。粗略だ。

    1. 「まだしき時に方さまの御心づかひゆゑと、それはそれは—に存ぜぬに候」〈浮・文反古・五〉

[形動][文][ナリ]
  1. 女性の色っぽくなまめかしいさま。「—な年増 (としま) 」

  1. 美しくたおやかなさま。

    1. 「花の色を—なる物といふべかりけり」〈古今・物名〉

[ト・タル][文][形動タリ]2に同じ。
    1. 「—たるその姿態は能 (よ) く鉄石の心をも蕩 (とろ) かすといわれていた」〈中島敦・悟浄出世〉

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