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・・・骨は一プード十哥か八哥で屑屋が買った。彼はふだんの日はこの仕事を学校がひけてからやった。 屑拾いよりもっと有利な仕事は材木置場から薄板をかっ払うことであった。一日に二三枚は窃んで来られた。いい板一枚に家持の小市民は十哥ずつ呉れる。この仕・・・
宮本百合子
「マクシム・ゴーリキイの伝記」
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・・・こうして置けば、女中がランプの掃除に使って、余って不用になると、屑屋に売るのである。 これは長々とは書いたが、実際二三分間の出来事である。朝日を一本飲む間の出来事である。 朝日の吸殻を、灰皿に代用している石決明貝に棄てると同時に、木・・・
森鴎外
「あそび」