・・・みなさんも知っているとおり、ソヴェト同盟では工場を男女労働者自身で経営している。工場の大衆から選挙された工場委員会があって、その委員会がいくつかの専門部に分れている。例えば技術詮衡部衛生部その他重要な生産計画部、文化部などがあって、どんな大・・・ 宮本百合子 「明るい工場」
・・・ 日本の新聞の歴史は、こうして忽ち、反動的な強権との衝突の歴史となったのであるが、大正前後、第一次欧州大戦によって日本の経済の各面が膨脹したにつれて、いくつかの大新聞は純然たる一大企業として、経営されるようになって来た。利潤を追い求・・・ 宮本百合子 「明日への新聞」
・・・却説去廿七日の出来事は実に驚愕恐懼の至に不堪、就ては甚だ狂気浸みたる話に候へ共、年明候へば上京致し心許りの警衛仕度思ひ立ち候が、汝、困る様之事も無之候か、何れ上京致し候はば街頭にて宣伝等も可致候間、早速返報有之度候。新年言志・・・ 和辻哲郎 「蝸牛の角」
・・・大きい根を尊重することを知らない経営者の下にあっては、いかなる制度の改革も、ついに五十歩百歩に過ぎないだろう。七 教養は培養である。それが有効であるためには、まず生活の大地に食い入ろうとする根がなくてはならぬ。 人々はあ・・・ 和辻哲郎 「樹の根」
出典:青空文庫