・・・みなさんも知っているとおり、ソヴェト同盟では工場を男女労働者自身で経営している。工場の大衆から選挙された工場委員会があって、その委員会がいくつかの専門部に分れている。例えば技術詮衡部衛生部その他重要な生産計画部、文化部などがあって、どんな大・・・ 宮本百合子 「明るい工場」
・・・ 日本の新聞の歴史は、こうして忽ち、反動的な強権との衝突の歴史となったのであるが、大正前後、第一次欧州大戦によって日本の経済の各面が膨脹したにつれて、いくつかの大新聞は純然たる一大企業として、経営されるようになって来た。利潤を追い求・・・ 宮本百合子 「明日への新聞」
・・・ 幸、高楠先生関係の本、歴史の本、その他少々たすかり、啓明会のは、大部分見出された由、大学が図書館を失ってはまるで手も足も出ないだろう。 マックスシュラーの文庫は、到頭開放しないまま灰燼にしてしまった。 ○何にしろ東京が此那有様・・・ 宮本百合子 「大正十二年九月一日よりの東京・横浜間大震火災についての記録」
・・・大きい根を尊重することを知らない経営者の下にあっては、いかなる制度の改革も、ついに五十歩百歩に過ぎないだろう。七 教養は培養である。それが有効であるためには、まず生活の大地に食い入ろうとする根がなくてはならぬ。 人々はあ・・・ 和辻哲郎 「樹の根」
出典:青空文庫