・・・文学のもっている浸透的で恒久性のある革命的力が理解されてよいと思います。 現在、反動権力と反動文化の新しい攻撃に対してますます広汎な統一戦線が求められているとき小市民的な宗派主義を克服し、同時に「勤労者文学」一般でなく、プロレタリアー・・・ 宮本百合子 「文学について」
・・・私ども正直でつつましい人民すべてが世界の平和を愛し、恒久的な平和を守ろうと決心した場合には、ちょうど私どもがいいことをしたいという時と、やりかたが同じだと思います。いい一つのことをするには悪いことと闘っていかなければならないとおり、平和を守・・・ 宮本百合子 「平和運動と文学者」
・・・例えば、民法第十四、五条、第七百八十八条、七百八十九条、八百一条、第八百十三条、最も注意すべき、刑法第百八十三条等に就いて何とかなさるべきであるとは感じてもそれ等を、自分達の問題として、適切に考究する代弁者を、女性は持ちません。 積極的・・・ 宮本百合子 「法律的独立人格の承認」
・・・十月革命と同時に亡命したアンドレエエフやクープリンを高給でソヴェト同盟での活動に召集しようと努力したのもゴーリキイであった。 レーニンが、大衆の不幸というものに対して妥協のない憤激を持ち、その不幸はとりさることが出来るものであり、且つ大・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの人及び芸術」
・・・は、恒久な意識の流れを截断した瞬間的断面だと云えるならば、「私」も亦、伝説が、日本の神人を語るより以前からの「日本人」の一断面ではないだろうか。私は今、紐育の町中に居る。私の足の下には靴の皮がある。キルクの床がある。石とコンクリートの下には・・・ 宮本百合子 「無題」
・・・ そばのくぐり門を入ると左側に二つ並んでテニス・コートがあった。硬球だ。黄色い運動服を着た女学生と白ズボン、白シャツの青年が愉快そうにテニスをやっている。門外の告示に書いてあった。テニス・コート使用料一時間二シリング。電話東一七一五番、・・・ 宮本百合子 「ロンドン一九二九年」
出典:青空文庫