・・・ それからまもなく、内地米一斗に外米四升が添加されるようになって麦の混食には平気だった者も外米のバラ/\してかたくて口ざわりの悪いのには閉口した。外米の添加量は次第に増されてきた。胃を悪るくする者、下痢する者など方々で悲鳴をあげた。発育・・・ 黒島伝治 「外米と農民」
・・・ある時は複雑な沈鬱な混色ばかりが次から次へと排列されて一種の半音階的の旋律を表わしているのである。 このような色彩に対する敏感が津田君の日本画に影響を持たないはずはない。尤もある画を見ると色彩については線法や構図に対するほどの苦心はして・・・ 寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
・・・人類は動物学上混食に適するようにできている。歯の形状から見てもわかる。草食獣にある臼歯もあれば肉食類の犬歯もある。混食をしているのが人類には一番自然である。そう出来てるのだから仕方ない。それをどう斯う云うのは恩恵深き自然に対して正しく叛旗を・・・ 宮沢賢治 「ビジテリアン大祭」
出典:青空文庫