-
・・・三尺の平床には、大徳寺物の軸がさびしくかかって、支那水仙であろう、青い芽をつつましくふいた、白交趾の水盤がその下に置いてある。床を前に置炬燵にあたっているのが房さんで、こっちからは、黒天鵞絨の襟のかかっている八丈の小掻巻をひっかけた後姿が見・・・
芥川竜之介
「老年」
-
・・・「コッチ」「コーチ」宅地となる。これはまたマレイの「コータ」堡塁とのある関係を思わせる。 以上は大部分ただ偶然の暗合に過ぎないかもしれない。しかし中には実際ある関係をもつものもあるかもしれない。関係があるとしても、それがどういう関係であ・・・
寺田寅彦
「土佐の地名」