・・・同志小林の功績は、実にプロレタリア文学運動におけるその如き党派性、その如き科学性の確立のために、決議の作成へまで発展的にしかも飽くまで厳密にわれわれを批判し、鼓舞激励したところにこそあるのである。 貴司は『改造』四月号の「人及び作家とし・・・ 宮本百合子 「前進のために」
・・・種々な法規が、消極的意味に於て女性に不便であり或る時は不公平であるとしても、直接法規作製に力める内部からの影響がなければ、改正も覚つかないでしょう。 外廓を廻って叫んでも、原動力とはなりません。例えば、民法第十四、五条、第七百八十八条、・・・ 宮本百合子 「法律的独立人格の承認」
・・・けれども明治二十二年に出来て最近まで伝えられた日本の欽定憲法は人民によって作成され、決定されたものではなかった。支配権力が自身の権力の擁護のためにつくった傾きがつよいから、人民の諸問題よりも大権を絶対のものとして明記してあることに注意が集注・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫