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・・・すなわち三重奏、四重奏、五重奏と称するのがそれである。二人だけの連吟はもちろん二重奏であるが、場合によっては一方が独奏で他方は伴奏のような感じを与えるものさえもないではない。 試みに芭蕉七部集をひもといて二三の実例について考えてみる。ま・・・
寺田寅彦
「連句雑俎」
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・・・日本の資本主義が勃興の途についたロマンチシズムの時代から、自然主義の時代、白樺等によって唱えられた人道主義の時代、更に社会の推進につれて生じた新たな階級の文学運動の開始等、明治から昭和に至る日本文化の縦走をその一身の芸術のかげに偲ばせる現代・・・
宮本百合子
「今日の文学の鳥瞰図」