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・・・季題のない発句はまれにはあるとしてもそれは除外例である。二条良基は連歌の句々の推移のありさまを浮世の盛衰にたとえ、また四季の運行に比べている。これは気候変化の諸相のきわめて複雑多様な日本の国土にあって、この変化に対する敏感性を養われて来た日・・・
寺田寅彦
「俳諧の本質的概論」
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・・・ この大番と云う役には、京都二条の城と大坂の城とに交代して詰めることがある。伊織が妻を娶ってから四年立って、明和八年に松平石見守が二条在番の事になった。そこで宮重七五郎が上京しなくてはならぬのに病気であった。当時は代人差立と云うことが出・・・
森鴎外
「じいさんばあさん」