・・・そして隠しからパンを一切と、腸詰を一塊と、古い薬瓶に入れた葡萄酒とを取出して、晩食をしはじめた。 この時自分のいる所から余り遠くない所に、鈍い、鼾のような声がし出したので、一本腕は頭をその方角に振り向けた。「おや。なんだ。爺いさん。・・・ 著:ブウテフレデリック 訳:森鴎外 「橋の下」
・・・そして隠しからパンを一切と、腸詰を一塊と、古い薬瓶に入れた葡萄酒とを取出して、晩食をしはじめた。 この時自分のいる所から余り遠くない所に、鈍い、鼾のような声がし出したので、一本腕は頭をその方角に振り向けた。「おや。なんだ。爺いさん。・・・ 著:ブウテフレデリック 訳:森鴎外 「橋の下」
・・・之を喩えば日本の食物は米飯を本にし、西洋諸国はパンを本にして、然る後に副食物あるが如く、学問の大本は物理学なりと心得、先ず其大概を合点して後に銘々の好む所に従い勉む可きを勉む可し。極端を論ずれば兵学の外に女子に限りて無用の学なしと言う可き程・・・ 福沢諭吉 「新女大学」
・・・之を喩えば日本の食物は米飯を本にし、西洋諸国はパンを本にして、然る後に副食物あるが如く、学問の大本は物理学なりと心得、先ず其大概を合点して後に銘々の好む所に従い勉む可きを勉む可し。極端を論ずれば兵学の外に女子に限りて無用の学なしと言う可き程・・・ 福沢諭吉 「新女大学」
・・・之を喩えば日本の食物は米飯を本にし、西洋諸国はパンを本にして、然る後に副食物あるが如く、学問の大本は物理学なりと心得、先ず其大概を合点して後に銘々の好む所に従い勉む可きを勉む可し。極端を論ずれば兵学の外に女子に限りて無用の学なしと言う可き程・・・ 福沢諭吉 「新女大学」
・・・西洋の公園でも花だから誰も取らずに置くがもしパンを落して置いたらどうであろう。きっとまたたく間になくなってしまうに違いない。して見れば西洋の公徳というのも有形的であって精神的ではない…………ヤ大勢来やがった。誰かと思えばやはりきのうの連中だ・・・ 正岡子規 「墓」
・・・西洋の公園でも花だから誰も取らずに置くがもしパンを落して置いたらどうであろう。きっとまたたく間になくなってしまうに違いない。して見れば西洋の公徳というのも有形的であって精神的ではない…………ヤ大勢来やがった。誰かと思えばやはりきのうの連中だ・・・ 正岡子規 「墓」
・・・西洋の公園でも花だから誰も取らずに置くがもしパンを落して置いたらどうであろう。きっとまたたく間になくなってしまうに違いない。して見れば西洋の公徳というのも有形的であって精神的ではない…………ヤ大勢来やがった。誰かと思えばやはりきのうの連中だ・・・ 正岡子規 「墓」
・・・と言いながら盗んで来た角パンを出しました。 ホモイはちょっとたべてみたら、実にどうもうまいのです。そこで狐に、 「こんなものどの木にできるのだい」とたずねますと狐が横を向いて一つ「ヘン」と笑ってから申しました。 「台所という木で・・・ 宮沢賢治 「貝の火」
・・・と言いながら盗んで来た角パンを出しました。 ホモイはちょっとたべてみたら、実にどうもうまいのです。そこで狐に、 「こんなものどの木にできるのだい」とたずねますと狐が横を向いて一つ「ヘン」と笑ってから申しました。 「台所という木で・・・ 宮沢賢治 「貝の火」
出典:青空文庫