・・・善かさもないものはただちに悪と、固定された、ただふたすじのみちが、もし、特定のものの便宜のために日本の人民の理性の上に敷設されるなら、それは、人を生き埋めにした上につくられた滑走路のようなものになるだろう。社会の発展の過程にあらわれる善と悪・・・ 宮本百合子 「地球はまわる」
・・・折から、ナイチンゲールの心にひらめいていた計画も、符節を合してまさにそのことであった。 フロレンスが二人の親友と三十八人の看護婦をひきいて一週間のうちにロンドンを立って、トルコのスクータリーに到着したのは一八五四年の十一月であった。・・・ 宮本百合子 「フロレンス・ナイチンゲールの生涯」
・・・「八十三度までのところでは何も彼も符節を合する如くです。覚えて居られますか。私は平静湾の氷は五月に溶けると書きましたが、果して五月にすっかりとけてしまいました。それに、ルドルフ島の天候も私の本にあるのと、全く同じです」「操縦士の空想」を・・・ 宮本百合子 「文学のひろがり」
出典:青空文庫