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・・・(枠張のまま、絹地の画を、やけに紐からげにして、薄汚れたる背広の背に負い、初冬、枯野の夕日影にて、あかあかと且つ寂……落第々々、大落第。(ぶらつく体を杖に突掛くる状、疲切ったる樵夫畜生、状を見やがれ。声に驚き、且つ活ける玩具の、手許・・・
泉鏡花
「紅玉」
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高浜さんとはもうずいぶん久しく会わないような気がする。丸ビルの一階をぶらつく時など、八階のホトトギス社を尋ねて一度昔話でもしてみたいような気のすることがある。今度改造社から「虚子の人と芸術」について何か書けと言われたについ・・・
寺田寅彦
「高浜さんと私」