《「ケイラス」とも》細胞の増殖に関与する遺伝子の一つ。EGFR(上皮成長因子受容体)が出す細胞増殖のシグナルを受け取り核に伝達する。変異したKRAS遺伝子は、EGFRからのシグナルがなくても、常に細胞増殖のシグナルを出し続ける。膵臓癌 (すいぞうがん) ・肺癌 (はいがん) ・直腸癌 (ちょくちょうがん) などでKRAS遺伝子の変異が多くみられる。正式名称はv-Ki-ras2 Kirsten rat sarcoma viral oncogene homolog(カーステンラット肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログ)。
[補説]患者のKRAS遺伝子に
異常がある
場合、EGFRからのシグナル
伝達を
阻害する
セツキシマブなどの
薬剤を
投与しても、下流のKRAS遺伝子から細胞増殖のシグナルが出続け、腫瘍細胞の
増殖を
抑制できないため、
効果は
期待できない。