・・・最も明白な場合のみを挙げて見ても、千五百七十五年には、マドリッドに現れ、千五百九十九年には、ウインに現れ、千六百一年にはリウベック、レヴェル、クラカウの三ヶ所に現れた。ルドルフ・ボトレウスによれば、千六百四年頃には、パリに現れた事もあるらし・・・ 芥川竜之介 「さまよえる猶太人」
・・・若し僕の神経さえ常人のように丈夫になれば、――けれども僕はその為にはどこかへ行かなければならなかった。マドリッドへ、リオへ、サマルカンドへ、…… そのうちに或店の軒に吊った、白い小型の看板は突然僕を不安にした。それは自動車のタイアアに翼・・・ 芥川竜之介 「歯車」
・・・この大会は、フランコのファシズム政権に反対してたたかっているスペインの共和政府の所在地バレンシアに第一日の集会をひらき、のちマドリッド、バルセロナと移って、十日間つづいた。 国際ペンクラブは第十三回大会をバルセロナに第十四回大会をブェノ・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十一巻)」
・・・ 国際作家会議 中国作家に課せられた重荷 第二回の文化擁護国際作家会議が去る七月四日からスペインで開かれたが、この会議がヴァレンシアからマドリッドに移り、更にヴァレンシアとバルセロナへ移動・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
出典:青空文庫