・・・の終りに到って久内に、「日本の国にはマルキシズムという実証主義の精神が最近になって初めてはいり込んできたということは、君も知っているだろうが、こいつに突きあたって跳ね返ったものなら、自由というものはおよそどんなものかということぐらい知っ・・・ 宮本百合子 「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」
・・・ 大体その時評は、妙なものだった。マルキシズムの立場で書かれているわけなのだろうが、敗北主義で、政治と文学との見解は、ブルジョア・インテリゲンチアの宿痾、二元論だ。 しかし、言及されているプロレタリア文学の取材、様式の固定化という批・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
・・・ われわれの問題は、文学と云うものが、此の資本主義を壊滅さすべき武器となるべき筈のものであるか、或いは文学と云うものが、資本主義とマルキシズムとの対立を、一つの現実的事実として眺むべきか、と云う二つの問題である。 更に此の問・・・ 横光利一 「新感覚派とコンミニズム文学」
出典:青空文庫