・・・をもっていながら、今年の前四分の一半期には一冊も新しい本を買わなかった。国立出版所は、新刊書の配布網についてもっと研究するべきだ。そういうことは書いて来る。しかし、村の人々はどういう小説を読みたがっているか、またどの小説に対してどういう風に・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・何故なら、どこの国でも文化のことが言われる場合、科学の方面と文学の面とは常に車の両輪のように考えられて来ているし、知識人の日常生活の文化を内容づけているものの比率から言っても、文学は重大な一半を占めているのであって、実際に即して見れば、今日・・・ 宮本百合子 「今日の文学の鳥瞰図」
・・・文学サークルが組合の教・宣部の活動と歩調をそろえていないというあちこちにある現象の一半の理由は、これまでサークルに集る人々の文学的欲求を、ブルジョア文学の伝統的な文学の形態にはめて、考えていた古さ、せまさもあると思える。小説、さもなければル・・・ 宮本百合子 「その柵は必要か」
・・・ 明治以来今日まで日本文学を押しすすめて来た文学への責任が、一半は婦人の肩にもかかっているものだと男の作家によって思われた時代が嘗ていつ在っただろうか。そういう全体の歴史への意味での責任を自身の文学に感じて仕事を貫いたという婦人作家があ・・・ 宮本百合子 「文学と婦人」
・・・ なぜなら、妻は結婚生活において、夫の道義的生活にたいしても密接な関係をもち、責任の一半を負っているのであるから。 道義の頽廃は、家庭婦人のきよらかさを濁らしている。いわゆる良家の主婦たちがむすめやむすこと一しょに、それをエロ・グロ・・・ 宮本百合子 「民法と道義上の責任」
出典:青空文庫