・・・ この事実は、芸術家の大きい魂の真実にふれている、常に自己を超えようとする本能的な焦慮 ○限界の突破 そして、このことは平安を彼から奪うことを予約している。しかも 彼が芸術家であれば◎芸術家は完成と静けさにお・・・ 宮本百合子 「ツワイク「三人の巨匠」」
一九三〇年九月×日。 予約出版物の用事で「アガニョーク」社へ出かけた。白樺の粗末な板塀についた切り戸から入るようになっている。 この間は人足が泥をほじっていた横の空地がもうちゃんと子供の遊場になっている。砂場、ブラ・・・ 宮本百合子 「モスクワ日記から」
・・・それにもかかわらず、農村の生産必需品の原料ともなる物資は、いくらかくしておいても罪にならず、ただ買い上げられる丈で米を自分でこしらえる農民が、出さないからと、三年以下の体刑、一万円以下の罰金を予約されているのは、いかにも人間らしくなくて苦し・・・ 宮本百合子 「モラトリアム質疑」
・・・彼は週刊新聞、『労働者生活』を三ヵ月分予約した。 その労働者が立ってる定期刊行物見本テーブルは幾分土曜日夕方のハイド・パアクにおける言論市場をほうふつさせた。労働組合の機関紙、炭坑組合新聞などが党の刊行物とともに売られている。 ・・・ 宮本百合子 「ロンドン一九二九年」
出典:青空文庫