・・・そのため三ヵ月ほど休養した。後半期は講演を全廃した。組織の会合にも欠席することを許して貰った。小説だけにしたこの仕事の割あては今日もつづいている。一九四七年度の毎日出版文化賞が「播州平野」と「風知草」に与えられた。 執筆・・・ 宮本百合子 「年譜」
・・・ 十四日 岸博士来、左胸部浸潤 来年二月頃まで休養 〔欄外に〕○病気にかまけて居るAを見る歯がゆさ。 聖書 マンネリズム ○上役に対して。 ○パーマのこと。 二月頃 ○西村のこと。 マリモ・・・ 宮本百合子 「「伸子」創作メモ(二)」
・・・ 彼女たちは、その家政科の学識を駆使して、まず一定の生産的な社会的な勤労に従う男女はどれだけの食餌、どれだけの休養、どれだけの文化衛生費を必要とするか、客観的な標準を立てて、さておのおのの収入総額によってどれだけの不足がどの部分に生じて・・・ 宮本百合子 「婦人の文化的な創造力」
・・・ナイチンゲールにとって、どうして今休養などをとっていられよう。今こそ好機が到来したのだ。鉄は熱い中にこそ打つべきだ。長椅子の上であえぎながら、彼女は報告を読み、手紙を口述し、心悸亢進の合間には熱病的な冗談をとばした。ナイチンゲールは、イギリ・・・ 宮本百合子 「フロレンス・ナイチンゲールの生涯」
・・・とあっても、生活安定のための勤労報酬のこと、休養の権利、失業の保険、養老の保険、現在のような生産手段の独専所有にたいする制限のないことも手落ちであるし、男女平等という、婦人の心につよく訴える規定のなかに、社会的平等の地盤となる同一労働に対す・・・ 宮本百合子 「矛盾とその害毒」
・・・宗教団体、養老院、盲唖院、皇后が保護者となっている馬の休養所まで等しく「熱心に」「火急に」寄附を求めている。 ミス・エラリン・メイシーは社会組織のひびから発するこの!《エクスクラメーション》を事務家的才能で把握し婦人雑誌に写真ののる成功・・・ 宮本百合子 「ロンドン一九二九年」
・・・父は妹娘をつれて箱根の富士屋ホテルにいたのだそうな。そこで血尿の出るのを見つけて、慶応義塾大学病院へ電話をかけ、そのまま東京駅から真直ぐに小旅行の手鞄をもって入院した。父は休養のつもりであった。腎臓に結石のあることを診断した医師達も、そう急・・・ 宮本百合子 「わが父」
出典:青空文庫