・・・「インタナショナルとは、国際的乃至世界的団結、全世界的同盟という意味である。」ブハーリン監輯の「インタナショナル発展史」にはそう説明してある。 資本主義がすさまじい勢力を以て発展して、国際的威力として、プロレタリア階級に迫ってきた時、労・・・ 黒島伝治 「反戦文学論」
・・・ それらの学徒は、お互に、いつも固く団結して、いろいろの学問を修めていました。特に数学と音楽とを一ばん大切なものとして研究しました。 その学徒の一人のピシアスという人が、シラキュースに来ておりましたが、それがいつもディオニシアスに反・・・ 鈴木三重吉 「デイモンとピシアス」
・・・ただもう、命が惜しくて、金が惜しくて、そうして、出世して妻子をよろこばせたくて、そのために徒党を組んで、やたらと仲間ぼめして、所謂一致団結して孤影の者をいじめます。 私は、負けそうになりました。 先日、或るところで、下等な酒を飲んで・・・ 太宰治 「美男子と煙草」
・・・ 日本浪曼派団結せよ、には非ず。日本浪曼派、またその支持者各々の個性をこそ、ゆゆしきものと思い、いかなる侮蔑をもゆるさず、また、各々の生きかた、ならびに作品の特殊性にも、死ぬるともゆずらぬ矜を持ち、国々の隅々にいたるまで、撩乱せよ、であ・・・ 太宰治 「もの思う葦」
・・・たとえば在昔は、君臣の団結、国中三百所に相分れたる者が、今は一団の君臣となりたれば、忠義の風も少しく趣を変じて、古風の忠は今日に適せず。 在昔は三百藩外に国あるを知らずして、ただ藩と藩との間に藩権を争いしものも、今日は全国あたかも一大藩・・・ 福沢諭吉 「徳育如何」
・・・ テねずみが、「それで、その、わたしの考えではね、どうしてもこれは、その、共同一致、団結、和睦の、セイシンで、やらんと、いかんね。」と言いました。 クねずみは、「エヘン、エヘン。」と聞こえないようにせきばらいをしました。相手・・・ 宮沢賢治 「クねずみ」
・・・ 全体、私たちビジテリアンというのは、ご存知の方も多いでしょうが、実は動物質のものを食べないという考のものの団結でありまして、日本では菜食主義者と訳しますが主義者というよりは、も少し意味の強いことが多いのであります。菜食信者と訳したら、・・・ 宮沢賢治 「ビジテリアン大祭」
・・・その情勢が、ドイツ・フランス等の大衆を団結させ、左翼の組織は拡大した。孫文派が広東政府を樹立し、中国国民党宣言を発表した。京漢鉄道総工会の成立大会を武力解散させた軍閥呉佩孚に対して中国労働者がジェネストを起し、英国の労働運動に一つのエポック・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第二巻)」
・・・左手につづく国立物品販売所の正面には、イルミネーションで、万国の労働者団結せよ!と、書き出されている。 広場の土は数十万の勤労者の足に踏みしだかれ、ポコポコになって、昼間の熱気を含んでいる。ところどころに急設された水飲場・・・ 宮本百合子 「インターナショナルとともに」
・・・全世界のプロレタリア団結せよ。」宣言の簡潔な力強い文章のなかに、エンゲルスとマルクスとがその時までになしとげた、あらゆる科学的研究の結果が具体化されていた。 第一回ロンドン大会にマルクスが出席出来なかったのは簡単で絶対な一つの理由によっ・・・ 宮本百合子 「カール・マルクスとその夫人」
出典:青空文庫