・・・地方的な小政党であったナチスを一九三三年の選挙で第一党にした背後の力は、国内では軍需生産企業の親玉たちと保守的な国家主義者・軍人・地主たち、判断にまよった小市民層の人々であり、国外においてはナチスに投資した外国の資本家たちであった。小さかっ・・・ 宮本百合子 「それらの国々でも」
・・・国内国外もつれ合う潮の流れの複雑さと、主体的に日本のインテリゲンツィアをこめる全人民に民主的感覚が成熟していないことのために、難航である。それだからと云って、民主的社会建設の方向を懐疑し、インテリゲンツィアが自身の歴史的運命の発展に躊躇する・・・ 宮本百合子 「誰のために」
・・・当時、宗教上の問題から国外生活を余儀なくされていたビリューコフがフランスで出版されるトルストイの作品集に添うものとして、執筆したのであった。 伝記記者としてのビリューコフは、終始一貫して事実に正確忠実であろうとし、常に「トルストーイ自身・・・ 宮本百合子 「『トルストーイ伝』」
・・・ヒットラー政権の下では、自由主義的な芸術家が国外へ追放され、政治的移民としてアムステルダムやパリに住み、世界文学史の上に前例のなかった移民文学を創造している。これらの人々は当然ヒューマニズムの立場にあるのであるが、更に注目すべきことは、ドイ・・・ 宮本百合子 「ヒューマニズムの諸相」
・・・国内的に国外的に決して解決に容易だといえない問題を両手いっぱい、膝の上にまでもっている。 戦時中、軍需生産のために膨脹した生産能力を、同じに近い利潤を生むように運転して行こうとする努力、その一方では、それと矛盾して見える物価の高騰をふせ・・・ 宮本百合子 「便乗の図絵」
・・・そして、その批判が、組合の仕事や日本の国内、国外の社会事情についてより科学的な知識をひろげてゆくにつれて、愛情そのものさえ歴史の脈動とともに性格づけられるものであることが発見されてくる。ただイデオロギーとして社会主義が分ってきたばかりでなく・・・ 宮本百合子 「文学と生活」
・・・ レーニンとゴーリキイとの間に見解の相異があるということは、その頃しばしば国内的にも国外的にも逆宣伝に利用されたが、当時の革命の指導者達は、一九一〇年にすでにレーニンによって洞察されていたゴーリキイに対する評価を決して変えなかった。・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの人及び芸術」
出典:青空文庫