・・・ 日本の婦人の特徴ということを国際的な文化紹介としてあげ、優雅な日本の姿を欧米に紹介するための写真外交の見本として、きょうも新聞に見えたのは、高島田に立矢の字の麗人が茶の湯の姿である。ところが、そういう画面で日本の女を紹介する習慣を・・・ 宮本百合子 「新しい婦人の職場と任務」
・・・ 何の為にブルジョア国は結束して国際連盟までを動員し、ソヴェト同盟に向って世界戦争の下拵えをやっているか? なぜ、世界のプロレタリアートは、それに対してソヴェトを守れ! と叫ばずには居られないか? それ等のことを我々は知らなければな・・・ 宮本百合子 「若者の言葉(『新しきシベリアを横切る』)」
・・・同時に、日本において新しい民主生活を確立するためには、どんなに複雑で国際的な性質をもつ障害があるかということも、具体的にはっきりしつつある。日本、中国、朝鮮をこめての東洋と西欧の民主主義をうちたて、世界の平和を守ろうとするすべての人々は、め・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第九巻)」
・・・一月ごとにその程度と範囲が際限なくひろがって、客観的に公平に、国際問題や経済、政治問題をとり扱った内容さえ忌諱にふれた。日本のなかに、客観的な真実、学問上の真理、生活の現実を否定して、日本民族の優秀性と、侵略的大東亜主義を宣伝する文筆だけが・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第五巻)」
・・・が組織され、一九三六年には小松清によって、その前年の夏、パリに開かれた文化擁護のための「国際作家大会」と、その成果である同じ名の連盟の誕生が紹介された。これは一九三四年八月、モスクワで第一回文化擁護国際作家大会がもたれたとき、フランス代表と・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」
・・・招待された作家たちの全部が出席することは出来なかったらしいけれども、この大会が与えた文化の守りについての深い感動と認識にたって、翌る年の一九三五年六月にパリで第一回文化擁護国際作家大会がひらかれた。この大会には、ドイツ、イタリア、日本をのぞ・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十一巻)」
・・・ わたしたちは、こんにちこそ、国際的な先入観や偏見から自由に解き放されなければならないときだと思う。同時に、自国の権力が与えるめかくしも、拒絶すべき時期だと思う。偏見のない人民こそは、最もあざむきにくい民である。 第九巻には、主とし・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第八巻)」
・・・この場合、国際的なプロレタリア文学運動が、二十世紀の世界文学の一発展としてもたらした文学の社会性、階級性についての諸観点、および作品の芸術的実感と歴史に対する客観的認識力との微妙な生きた関係の探求などは、民主的な文学の精髄をなす。なぜなら民・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第六巻)」
・・・彼は国際革命家集団に属している。そして、ジェネヴァで、第一次ヨーロッパ大戦のはじまる前後のきわめて切迫した国際情勢にふれる。 やがて、第一次ヨーロッパ大戦にまきこまれたジャックが、どういう風に国際的な資本主義経済の自己撞着と戦争の矛盾を・・・ 宮本百合子 「生きつつある自意識」
・・・印度の港で魚のように波の底に潜って、銀銭を拾う黒ん坊の子供の事や、ポルトセエドで上陸して見たと云う、ステレオチイプな笑顔の女芸人が種々の楽器を奏する国際的団体の事や、マルセイユで始て西洋の町を散歩して、嘘と云うものを衝かぬ店で、掛値と云うも・・・ 森鴎外 「かのように」
出典:青空文庫