・・・「いずれ、それは……その、如是我聞という処ですがね。と時に、見附を出て、美佐古はいかがです。」「いや。」「これは御挨拶。」 いきな坊主の還俗したのでもないものが、こはだの鮨を売るんだから、ツンとして、愛想のないのに無理はない・・・ 泉鏡花 「古狢」
・・・山川智応 日蓮聖人伝十講有朋堂文庫 日蓮聖人文集室伏高信 立正安国論高山樗牛 日蓮とはいかなる人ぞ姉崎正治 法華経の行者日蓮倉田百三 祖国への愛と認識ニーチェ ツァラツストラ如是説旧約聖書中のイザヤ書。妙法蓮華・・・ 倉田百三 「学生と先哲」
・・・ 私が、こんな如是我聞などという拙文をしたためるのは、気が狂っているからでもなく、思いあがっているからでもなく、人におだてられたからでもなく、況んや人気とりなどではないのである。本気なのである。昔、誰それも、あんなことをしたね、つまり、あん・・・ 太宰治 「如是我聞」
・・・神が出ても仏が出てもいっこう差支ないが、たかが如是我聞の一二句で、あれ程の人騒がせをやるのみならず、不動様まで騒がせるのは、開明の今日はなはだ穏かならぬ事と思う。あれじゃ不動様が安っぽくなるばかりだ。不動をあらたかにしようと思ったら、もう少・・・ 夏目漱石 「明治座の所感を虚子君に問れて」
・・・での罪を懺悔した上で、どうか人間に生れたいと願うた、七日七夜、椽の下でお通夜して、今日満願というその夜に、小い阿弥陀様が犬の枕上に立たれて、一念発起の功徳に汝が願い叶え得さすべし、信心怠りなく勤めよ、如是畜生発菩提心、善哉善哉、と仰せられる・・・ 正岡子規 「犬」
出典:青空文庫